可逆性結合(ヒンダードウレア結合)導入によるPMMAの強靭化
本研究では、可逆性結合(ヒンダードウレア結合、HUB)の導入によるPMMAの強靭化を目的として実施した。HUBは以下のような解離と再結合の平衡反応状態にあり、高温で解離し、低温で再結合する。また、HUBが架橋点として高分子鎖中に導入されると、応力負荷により一部が解離することが報告されている。これを踏まえて本実験では、HUBのかさ高さ、延伸加工を行い、強靭化(弾性率、靭性、破断ひずみ)を検討した。

HUBのかさ高さによる強靭化への影響
かさ高さが異なるHUBを導入したPMMAについて、引張試験を実施したところ、以下の結果が得られた。
・かさ高さが小さい or 大きい場合:引張特性は脆性のままで強靭化されない
・かさ高さが中程度の場合:応力-ひずみ曲線は降伏点を示し、延性化(強靭化)する
このように、HUBのかさ高さは強靭化に重要であることが明らかとなった。

一軸延伸加工による強靭化
さらなる強靭化のために、一軸延伸加工をHUB導入PMMAに適用して、引張特性を評価した。その結果、HUBのかさ高さによる影響はあるものの、いずれのHUB構造でも延伸方向(MD)は強靭化することが判明した。一方、延伸と垂直方向(TD)の引張特性はHUBのかさ高さが影響するという結果となった。特に延伸前に延性を示した場合は、MD、TDともに延性化(強靭化)しており、一軸延伸とHUB導入によりさらなる強靭化が可能であることが示された。

本研究は、公益財団法人JKA研究補助事業(競輪)の支援を受けて実施したものです。
